大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(あ)3236 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人向江璋悦、同安西義明の上告趣意第一点について。

所論は単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の定める適法な上告理由に

当らない。なお記録に徴すれば、所論検察官の控訴趣意は刑訴三八一条所定の要件

を欠いているものとは認められないから、所論は実質においても理由がない。

同第二点について。

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。そしてむしろ本件犯

情に鑑みれば、原審の量刑は決して不当とは認められない。

同第三点について。

所論も単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。そしていわ

ゆる冒頭手続において、被告人が検察官陳述の公訴事実を認める旨の陳述は、これ

を断罪の証拠とするも違法でないこと、所論掲記の当裁判所判例の既に示すところ

であつて、なおこれを変更するの必要を認めないから、所論は実質においても理由

がない。

同第四点について。

所論はいわゆる検察官の求刑意見の違憲性を主張する。しかし求刑意見は刑訴二

九三条一項により訴訟法上適法とすること、既に所論指摘の当裁判所判例の存する

ところである(集三巻三号三一九頁)。そして裁判所は検察官の求刑意見に何等の

拘束を受けるものではなく、良心に従い独立して職権を行使し、その適正と信ずる

量刑をなすものであることはいうまでもないところである。所論はひつきよう違憲

に藉りてその実質は刑訴二九三条に関し独自の見解を強調するものであつて、論旨

は採用できない。

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なお記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年一一月二四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

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